三叉神経痛の鍼灸症例

来院日）令和４年９月２１日

患　者）７２歳男性

主　訴）右三叉神経痛

２０日ぐらい前から、食事の時に右顔面の上部（眉毛からおでこ）に痛みを生じるようになる。

もともと歯が悪く、歯からくる痛みだと思いかかりつけの歯科医院でみてもらった。

そこの先生には、「三叉神経痛」だと言われ、病院でみてもらうように勧められた。

病院では、MRIを撮り検査をしたけれど、異常がなかった。

診断結果は、「三叉神経痛」だった。

そして、飲み薬を服用していたけれど痛みの改善がなかったので、鍼は、「三叉神経痛に効くのかな？」と、思い来られた。

既往歴）

気管支拡張症

施術と経過）

脈をみると、くるっと丸い形をしていて（滑脈）、速い脈をしている（数脈）

この事から、粘膜の炎症がり、交感神経緊張がうかがえる。

また、首を押すと扁桃病巣感染症（慢性口蓋扁桃炎）の反応部位に圧痛がある。

これらが、この男性の回復を阻害する原因になるので、ここに重点を置き施術を行う（第一回目）

■第二回目

食べる時に痛く、噛む事ができない。やわらかい物しか食べられない。

■第三回目

第一回目の時、施術中に痰が絡む咳をよくしていたが、減ってきた感じがあった。

■第四回目

食べる時の痛みは、「少し減ってきた」と、お聞きした。痰も、減ってきている。

■第五回目

大分良くなってきた。痛みは、半分くらいになったそうだ。

■第六回目

「食べても痛みを感じない」と、言っていた。

考　察）

回復を妨げる、「扁桃病巣感染症」・「粘膜の炎症」・「交感神経緊張」にアプローチした事が良い結果につながったと思う。

また、仕事で手を使う仕事をしていたので、右の肩こりが酷かった。肩の緊張を緩めた事も顔の痛みの軽減につながったと思う。

三叉神経痛の方の中には、顔に鍼を刺した方が効くように思っている方がいるが、痛いところに刺すと、かえって痛くなる。

痛いところは、そおっとしておいて、回復を妨げる原因にアプローチをした方がリスクもなく「良い結果」につながる事が多い。

※施術の効果には、個人差があります。