質問！妊娠の脈ってあるんですか？

【最終更新日】令和６年４月19日​

【筆者】岡田匡史（鍼灸師）

先日、不妊で来院されている患者さんに「妊娠の脈ってあるんですか？」という質問をされて、びっくりしました。

なぜなら、鍼灸師でも妊娠の兆候を現す脈を知らない人は、大勢いるからです。

せっかくなので、あなたにも"妊娠している可能性のある脈”が、どんな感じの脈なのかをお伝えしたいと思います。

そもそも、鍼灸師は、患者さんを治療する前に「脈を診たり」「お腹を触診したり」「手足や背中のツボの状態を診たり」「舌を診たり」します。

なぜ、

このような事をするのかというと、あなたの身体の今現在の状態がどのようになっているのかを知る為です。

あなたも、体調が悪い時に病院へ行った事があると思いますが、

血液検査をしたり・心電図を取ったり・尿検査をしたり・ＭＲＩを撮ったりと色々な検査をしませんでしたか？

東洋医学でも同じように、あなたの体の状態を知る為に検査をするのです。

あなたが、お腹に冷えがある・生理不順がある・イライラする・夜眠れない症状があっても、それだけで「お腹の冷えのツボはココ！」・「生理不順はココ！」と使うツボが決まるわけではないのです。

脈やお腹・手足や背中のツボの反応などを総合して、「自律神経が乱れているかな？」・「免疫力が落ちているかな？」・「血液の循環が悪いかな？」・「内臓の働きが悪いかな？」などを判断し施術をしているのです。

そもそも、滑脈ってどんな感じの脈なのかな？と疑問に思うでしょう。

この脈は、「くるっ」とした感じの脈で、指に触れる感じが球を転がすような感じの脈です。

脈の見方としては、

あなたの左の人指し指・中指・薬指を右手首の橈骨動脈の拍動が触れる位置に指を当て動脈の拍動を診てみましょう。（女性は、右の脈が重要の為）

この時、最初に中指が橈骨茎状突起と呼ばれる骨の出っ張りの位置を目安にして、指を置き、それから「人差し指」と「薬指」を揃えます。もちろん、この時の指の下に橈骨動脈の拍動が触れる位置に置く事が大切です。

下記の画像を参考にして下さい。

指の指腹から、動脈の拍動を診ると「くるっ」とした、丸みのある脈を感じた時は、滑脈です。

特に普段の時と違って、薬指の指腹に滑脈が強く感じるようになってくると、妊娠の可能性があります。

ただ、瀕湖脈学に書かれているように、滑脈で無病の時です。

滑脈（かつみゃく）は、妊娠だけとは限りません。（注意！）

例えば、「風邪を引いた後に気管や気管支に炎症がある時」や「痰の出る人」・「飲んだものが胃に溜まりやすい水毒症の方」なども等に滑脈が診られます。

鍼灸師でも脈診は、難しい検査方法です。

あまり神経質にならずに、お試しで脈を診てはどうでしょう？