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自律神経失調症専門おかだ鍼灸院 

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鍼灸一筋のひとり言

東洋医学で考える『肺』について

【筆者】岡田 匡史(鍼灸師)

『東洋医学の肺』と『西洋医学の肺』は、似て非なるもの

更新日)令和3年1月12日

 

今までに、秋になると悲しい気分になった事ってありますか?

 

また、『皮膚がカサカサしたり』・『寝すぎて体調を崩したり』・『咳が出たり』・『鼻炎になったり』・『鼻水が出たり』・『喉が痛くなった』・『腱鞘炎で親指が痛い』など、経験をした方もあるかと思います。

 

これらは、東洋医学で考える『肺』・『肺の経絡』と関係のある症状です。

 

西洋医学の『肺』と、東洋医学で考えられる『肺』は、似ているところもありますが、全く同じという分けではないです。

 

これには理由があります。

今から200年以上前に杉田玄白が、オランダ医学の解剖書を翻訳して「解体新書」を発行しました。

 

これには、もともと日本で使われていた東洋医学の「五臓六腑」の名称を、オランダ医学の解剖書に当てはめて翻訳されました。

 

その結果、

「名前は同じだけれど、まったく同じ働きではない」と、いう混乱が起こるようになりました。

 

 

東洋医学で肺の不調を見つける方法

五行色体表で肺の不調を見つける

東洋医学では、万物を木・火・土・金・水という5つの要素に分類しました。

 

その分類したものを『五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)』と、言います。

 

 

下記の図を見ると、左側の一番上に『五行』と書かれている欄があります。

 

その欄を横に見ていくと、『金』という項目があります。

 

そして、『金』の下に『肺』と書いてあります。

 

これは、肺は『金の性質』があるという事です。

 

その為、『金』と書かれている縦の欄は、肺と関係のある事です。

 

ここから分かる事は、肺が病むと

  • 辛い物を食べたくなる・食べたくなくなる(五味)
  • 鼻水が出る(五液)
  • 咳が出る(五変)
  • 秋になると体調が悪くなる(五季)
  • 悲しくなる(五志)
  • 鼻の調子が悪い(五根)
  • 肌の色が白っぽい(五色)

などの症状が出るという事です。

もし、このような症状が出てきた場合は、『肺』が弱っている事を現します。

 

五行色体表
五行
五臓
五腑 小腸 大腸 膀胱
五味
五液
五変
五季 土用
五志
五根
五色

 

お腹で肺の不調を見つける

東洋医学では、お腹の反応から五臓(肝・心・脾・肺・腎)の不調を見つける方法があります。

 

本来、蒸かしたての饅頭(まんじゅう)のようなお腹が理想です。

 

しかし、不調を訴える方のお腹は、力なく軟弱であったり・押すと痛みを伴ったり・硬くなっています。

肺の不調を見つける腹診

そして、

肺の不調がある方は、お臍の右側を指腹で軽く押しても痛みがあったり・硬くなっています。

 

このような反応がある方は、肺の不調があると考えられます。

 

東洋医学で考える肺の働き

肺は、憂い・悲しみと関係がある

五行色体表によると、肺の持つ感情は、憂い・悲しみです。

 

肺が病んでしまうと、そのような感情になってしまう。

 

逆に、憂い・悲しんでいると、肺が病んでしまう。

 

肺は鼻に開竅(かいきょう)し、涕(てい)と関係がある

鼻は、肺が呼吸をする時の通り道となり、臭いをかぎ分けます。その為、肺は、鼻に開竅すると言われています。

 

そして、

涕(てい)とは、元々「なみだ」の事を言いますが、ここでは「鼻水」になります。

 

肺が正常であれば、鼻粘膜は、適度に潤いを持っています。

 

しかし、肺が病んでしまうと、鼻水が出たり・鼻が乾燥したり・詰まったり・臭いが分からなくなります。

 

肺は、皮毛を主る

肺は、全身の『立毛筋』と『皮膚』に関係があると考えられています。

 

毛穴の開閉を調節して体温調節をしたり・皮膚に栄養(衛気)を送って皮毛を温めて潤しています。

 

また、皮膚に送られて栄養(衛気)は、寒さ・湿気・風など外邪のバリアーとして働きます。

 

肺が弱ってしまうと、

悪寒・発熱・自汗・皮膚の潤い輝きがなくなる(皮膚疾患)・抵抗力が弱る・風邪にかかりやすくなるなどの症状が現れます。

 

肺は、気の生成に関与する

肺は、呼吸によって精気(空気)を取り込んで、さまざまな気(宗気・営気・衛気)を作る。

 

  • 宗気は、①呼吸道に作用して、呼吸を支える。②心脈に作用して、気血の運行を支える
  • 営気は、①血液の一部。②養分となる。
  • 衛気は、①体表部を覆うバリアー。②体の表面や内部を温める。③体の表面に、必要な水分を運ぶ。④毛穴や汗腺の開閉を調節する。

 

肺が弱ってしまい、

宗気が不足すると、呼吸が浅くなる・声が低くなる・声に力がない・体に力がみなぎらないなどの症状が現れます。

 

肺は、気を上へ、外へ動かす働きがある

息を『吸い』・『吐く』という呼吸運動には、全身の気を動かす原動力になっています。

 

特に、息を吐く際は、気を上へ・外へ動かします。

 

この働きによって、

  • 体内の汚れた気を、外へ排出します。
  • 食べ物から得られた『栄養』を、全身に特に体の表面である皮膚へと行きわたらせます。
  • 精気(空気)を体の上部の器官に送ります。

 

もし、肺の働きが悪くなってしまうと、皮膚がカサカサになる・風邪を引きやすくなる・寒気がする・めまい・鼻づまり・耳鳴り・耳の聞こえが悪くなるなどの症状が現れます。

 

肺は、気を下へ、内へ動かす働きがある

息を『吸い』・『吐く』という呼吸運動には、全身の気を動かす原動力になっています。

 

特に、息を吸う際は、気を下へ・内へ動かします。

 

この働きによって、

  • 精気(空気)を吸い込み、体の下(腎)へ送ります。
  • 気の上逆を抑えます。
  • 食べ物で得られた栄養を、体の下部にある臓器・器官へ送ります。
  • 体の上部の水を下(腎・膀胱)へ送ります。

 

肺が弱り、この働きが上手く行かなくなると、

咳・喘息・顔がむくむ・尿の量が減る・痰が絡むなどの症状が現れます。

 

肺の鍼灸治療

東洋医学系の鍼灸治療

慢性的に喉の痛みや腫れで気になる・咳が続いて治らない・鼻炎や副鼻腔炎になりやすい・手首の腱鞘炎・ばね指で困っているなどは、『肺』『肺の経絡』に問題が起きている可能性があります。

 

もし、

  • 薬の服用を続けているけれど改善の兆しがない
  • 根本から体を良くしないと駄目なんじゃないかと気づいた方
  • 東洋医学に興味を持っている方

は、鍼灸治療を選んでみては?

■参考文献

  • 東洋医学概論(医道の日本社)
  • わかりやすい臨床中医臓腑学(医歯薬出版株式会社)
  • 中医学ってなんだろう(東洋学術出版)

プロフィール

岡田匡史(おかだまさし)
1978年生まれ
経歴

1日400人以上来院する整形外科・都内の鍼灸整骨院で鍼灸の施術とリハビリを担当する。

取得国家資格

・はり師
・きゅう師
・あん摩マッサージ指圧師
・柔道整復師