なぜ、パニック障害の改善・緩和に鍼灸治療が良いのでしょうか？

パニック障害でお悩みの方にお話をお聞きすると、電車に乗ると、急に息が苦しくなる・動悸がする・冷や汗をかく、このまま死んでしまうのでは？と思うような状態になると聞きます。

そして、「また発作が起こるのでは？」と不安になり「電車に乗るのが怖い」・「大勢の人がいる所に行くのも怖い」と聞きます。

実は、鍼灸では、このようなパニック障害の改善・緩和を促す効果を発揮します。

ただ、誤解を与えない為にお伝えすると、

鍼灸を一回すれば、「ピタリ」とその日から発作が止まり、電車にすぐに乗れたり・大勢の人がいる所に行っても大丈部になる、というわけではありません。

鍼灸を続けて行くうちに、だんだんと不安感が減って、「電車で少しずつ遠くの駅まで行けるようになった」・「大勢の人がいる所に行っても不安感が強くでなかった」・「車に乗れなかった方が少しづつ遠方まで乗れるようになった」・「仕事に行けるようになった」等をお聞きします。

なぜ、パニック障害に鍼灸治療で改善・緩和がみられるのかといういと、「心（こころ）」に影響を及ぼす治療法だからです。

鍼灸は、「腰が痛かったり・肩が凝った時にするものでしょ？」と思う方も多いですが、体を元気にするだけでなく、心も元気にします。

しかし、なぜ、そのような事が言えるのでしょうか？

それは、内臓の働き(五臓六腑）には、「精神作用」が含まれていると東洋医学では考えられているからです。

例えば、

• 怒りの感情は、肝と関係があります。
• 喜びの感情は、心と関係があります。
• 思いの感情は、脾と関係があります。
• 悲しみの感情は、肺と関係があります。
• 恐れる・怖がるの感情は、腎と関係があります。

また、食べ物も偏った食事をしている方であれば、食生活の乱れを正す事により徐々に回復されて社会復帰された方もいらっしゃいます。

おかだ鍼灸院に来られた方で良くなっていく人の多くは、上記のように鍼灸治療で「体と心を整える」だけでなく、生活習慣や食生活も正してきた方達です。

「鍼灸で体が良くなったら、不規則な生活習慣や食生活も正します」という方もいるけれど、まず自分が変わろうとしないと、体も変化しません。

また、「何回やれば治りますか？」・「５回やれば治りますか？」など質問される方もいますが、パニック障害は、骨折のように「４週間で骨がくっつきます」と言える不調ではありません。

１００㎏以上ある方が、ダイエットで５０㎏になろうという場合に、２～３日ダイエットしたからといって、５０㎏になりません。

数カ月や半年・一年とかかるように、心に関係する病は、時間がかかります。

あまり焦らずに気長な気持ちでいると、だんだんと体が良い方向に変化していく事を、自身で感じられるようになります。