【脈診】脈の速さが教えてくれる体のサイン

【記事投稿日】令和７年６月２日

【筆者】岡田匡史（鍼灸師）

「最近、脈が速い気がする…」そんなふとした気づきが、実は身体の状態を映し出していることをご存じでしょうか？

東洋医学では、脈診を通じてその人の健康状態を読み解くことができます。

私の鍼灸治療では、施術を開始する前に脈診を行ないます。

両手首の橈骨動脈に指をあて、脈の『速さ』・『太さ』、『深さ』・『緊張』などを確認します。

そして、脈拍の速さが特に目立つ場合、それは 「数脈（さくみゃく）」 と呼ばれ、特定の体の状態を示す重要なサインとなります。

では、数脈はどんなときに現れるのでしょうか？

✅ 自律神経の乱れ

緊張すると心臓がドキドキするように、交感神経が興奮すると脈も速くなります。

安静にしていても、脈が速い人は、自律神経が乱れているのかもしれません。

また、初めて鍼灸治療を受ける人は「痛くないかな？」・「熱くないかな？」という不安を抱えているため、数脈が現れやすい傾向があります。

✅発熱・風邪

風邪を引いたときは体温ばかり気にしがちですが、実は脈も速くなっています。

もし、風邪を引いて熱が出たような事があったら、自分の脈を確かめてください。いつもより早い脈を感じるはずです。

✅ 甲状腺機能亢進症（バセドウ病）

代謝が異常に活発になり脈拍も速くなります。

私の場合、女性で数脈が見られる場合、甲状腺の腫れがないか喉を見ます。

また、健康診断で指摘されたことがないかお尋ねする事もあります。

✅ 貧血

赤血球が不足すると、酸素を運ぶために心臓が活発に働く必要が起き、その結果として脈が速くなります。

✅ 痛みや病の進行
急性期など体に強い痛みがあると、脈拍が速くなることがあります。これは、交感神経の働きによるものです。

✅ せっかちな性格
面白いことに、せっかちな人は脈が速い傾向があります。体質だけでなく、性格まで脈に表れる事があります。（絶対ではありませんよ！）

✅心臓に問題がある

心房細動や心房粗動 などの心疾患があると、脈が速くなります。
脈がいつも速い、ドキドキすることが多い…そんなときは、心臓のチェック（病院の検査）も必要です。

脈診は、身体が発する微細なメッセージを読み解くための大切な技術です。

私の鍼灸治療では、この方法を活用して健康をサポートしております。

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