【記事投稿日】令和7年6月23日
私の鍼灸治療では、腹診・脈診以外にも手足のツボの反応を重視しています。
その中の一つに、親指の付け根のツボがあります。
患者さんが、自律神経失調症・不妊・肩こり・関節痛などの症状を訴えていても、必ず圧痛の確認をとります。
初めて来られた方の中には、『別に親指は痛くないんだけど~』と怪訝そうな顔をされる事もありますが、めげずに行います。
このツボをチェックする理由は、『呼吸器系』の不調が分かるからです。
呼吸器系の不調が分かる理由は、
親指には手の太陰肺経(たいいんはいけい)と呼ばれる経絡が通過していて、『肺』とつながっているからです。
このツボに反応がある時は、
などの情報が、わかります。
特に、問題となるのが喉の炎症です。
あまり知られていませんが、喉にある『口蓋扁桃(こうがいへんとう)』や『上咽頭(じょういんとう)』の慢性炎症は、いろいろな不調を起こします。
喉は、自律神経線維が密に分布している場所で、この場所に慢性炎症が起きていると、自律神経を刺激し様々な不調が起こる事があります。
また、腰・膝・肘などの関節痛がある方でも、喉の炎症がある人は、これらの関節炎を悪化させます。
その理由は、喉の炎症によって活性化されたリンパ球や炎症性物質(サイトカイン)が血流に乗り、体で起きている炎症を助長させるからです。
一見、不調と全く関係なさそうですが、病の根本原因になっている事が多々あります。
私が、親指の付け根のツボをチェックする理由は、このような事が根底にあるからです。