鍼灸一筋の独り言

【腹診】お臍の右側を押すと痛いのは何?

腹診とお臍の右側の痛みについて

【記事投稿日】令和7年5月28日

【筆者】岡田匡史(鍼灸師)

 

私の鍼灸治療では、施術前に患者さんの体調を把握するために「腹診」を行なっています。

 

腹診は、東洋医学の診断法の一つであり、お腹の状態を確認することで、『体の不調』や『バランスの乱れ(五臓)』を見極める重要な手段です。

 

特に、お臍の右側(天枢付近)を押した際の痛み・硬結・拍動を感じる場合、東洋医学では「肺」の不調と関連があると考えられています。

お腹の各部位は、五臓と対応しており、それぞれの状態が反映されるとされています。

  • みぞおち  → 心:精神や循環に関係
  • 臍(へそ) → 脾:消化や栄養吸収に関係
  • 臍の右側  → 肺:呼吸器や免疫に関係
  • 臍の左側  → 肝:血液の流れやストレスに関係
  • 下腹部   → 腎:生命力に関係

 

この分類に基づき、お臍の右側に痛みや違和感がある場合は、呼吸器や免疫の不調(例えば、喉の炎症・風邪をひきやすなど)がある事が分かります。

 

また、喉の炎症があるという事は、万病のもとにになる【慢性口蓋扁桃炎】や【慢性上咽頭炎】を患っている可能性があります。

鍼灸治療では、こうした腹診の結果をもとに、適切なツボを選び施術を行います。

 

その結果、鍼灸刺激に対して感受性の良い方・病が重くない方は、施術中にお臍の右側の反応が消えてしまう事もあります。

 

このように、五臓のバランスを整え、根本的な改善を目指します。

 

 

まとめ

腹診を通じて、体調を詳細に把握し、適切な施術を行うことは、東洋医学の大きな強みです。

 

特に、お臍の右側の痛みや硬さは肺の不調と関連があり、免疫力の低下や呼吸器系の問題を示唆することがあります。

 

鍼灸治療では、こうした反応を改善することで、あなたの健康をサポートすることが可能です。

 

 

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