鍼灸一筋のひとり言

【ツボ情報】耳鳴りは「腎」と関係がある事を知っていますか?

【筆者】岡田 匡史(鍼灸師)

耳鳴りと腎

耳鳴り

更新日)令和3年6月15日

 

東洋医学では、耳の不調に五臓六腑の中の「腎」と関係のあるツボを良く使います。

 

その理由は、

五行色体表(万物を木・火・土・金・水に分類した表)を見ると、腎が病むと、耳に問題が起きる事が書かれているからです。

 

※下記の図を見ると、五臓の下の欄に「腎」と書いてあり、五官の下の欄に「耳」と書いてあります。

 

五行色体表で腎と耳の関係が分かる

また、(故)長野潔先生の著書(鍼灸臨床 新治療法の探求)の中にも、中耳炎で耳痛を訴える患者も左尺中の(実)、即ち腎実を呈する。(略)メニエール病・耳閉・耳鳴り等は逆に腎虚が多いので注意する。」と、耳の病と腎について書かれています。

 

実際、私もこれを応用し、突発性難聴・メニエール病の方による難聴・耳鳴り・耳閉感の施術を行っていますが、早期に施術(鍼灸)を行うと良い結果につながっています。

耳鳴りは、腎と関連のあるツボを使う

耳鳴りに効くツボ

私(鍼灸師)がお勧めするツボは、「照海(しょうかい)」です。

 

このツボは、足の少陰腎経と呼ばれる経絡上にあり、腎とつながっています。

 

このツボをお灸で刺激する事により、経絡の気・血の流れが良くなり「腎」の流れも良くなります。

 

また、このツボは、副腎疲労の方にお勧めをしているツボで、副腎が元気になると「副腎皮質ホルモン(ステロイド)」を分泌してくれます。

もともと、突発性難聴(難聴・耳鳴り・耳詰まり)では、プレドニゾロン(ステロイド薬)が処方されるぐらいですから、このツボが有効な理由もわかります。

 

そして、腎の状態が良くなると、耳鳴りも改善するという具合です。

 

このツボは、内くるぶしの下1寸の場所にあります。

【参考】

[主治](沢田流太谿)腎臓疾患を主る。即ち腎臓炎・腎臓結核・萎縮腎に効く。其他、咽喉痛・気管支炎・中耳炎・耳鳴り・扁桃炎・骨髄炎を治する。<引用:鍼灸治療基礎学>

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